ここ3年ほど「チーム医療推進のための対話力向上研修」をいくつかの病院で行っています。
(研修会社バリューイノベーションからの委託としてノウハウを使わせていただきながら)

医療現場には、医師、看護師、薬剤師、放射線技師、臨床工学士、介護士、ソーシャルワーカーなど、たくさんの専門知識を持つ方がいて、複雑に仕事が絡み合っています。

従来のように「医師を頂点にして」ではなく

「患者様(利用者様)を中心として」それぞれの職種が連携してふさわしい医療を行っていこう」

そんなチーム医療推進の動きが今、病院には広がっています。

一概に「患者様のため」といっても、職種や病棟によって捉え方が異なったり、お互いの職種に対する理解がないためにギスギスした職場になったり。

そのために「対話力向上研修」を行うのですが、医療現場でのコミュニケーションは、一般企業と大きく異なるためかなり工夫が必要です。

一番の違いは、

医師に大量の情報が集中すること
医師が判断しなければすべての医療行為は行えないからです。

そして
命に関わる緊急度の高い情報が多いこと

対話するときは、手を止めて相手の方に体を向けましょう!
「質問」で相手の考えを引き出しましょう、答えは相手の中にありますよ!
はい、では実際にワークをやってみましょう。

などとのんびりとやったところで医療現場ではほぼ使えませんし
そんな研修をやったらみんな間違いなく寝ます。忙しいし、疲れているので。

忙しい彼らが効率よく学べるように現場に沿った事例をたくさん入れる、
体を動かさせたり、ディスカッションをさせたりしながらうまくファシリテートする(いつも病院内を走り回っているので、座っていると寝てしまう!)など

そのことにとてもエネルギーを使います。

そしてそして、20代の若手職員の一番の悩みは

「医師と良好なコミュニケーションをとるにはどうしたらいいか」

もっとかみくだくと

「どうしたら忙しい医師に遠慮せず、患者様の情報で伝えるべきことを短い時間で伝えられるか、そして、医師からその対応についてすぐに返事をもらえるか」

だったりします。

よーく考えると、こんな悩みが病院内で多いこと自体とても恐ろしいことですし、
これではチーム医療推進もまだまだ先な気もしますが、これが日本の医療現場での現実。

毎回この研修をやるたび、本当の問題はなんなのか、日本の制度や病院の風土、働き方改革の必要性なども含めて考えさせられます。

それでも医療現場のさまざまな職種の方がの連携が少しでもうまくいけば救われる命もあるはず!

本質的な問題も横目で見つつ、来年もこの仕事は続けていきます。