30代の次世代リーダーの育成が大きな経営課題となっている企業にて

上司が、30代の若手部下と、毎月1度は1対1の面談=1on1ミーティングをして
上司が30代若手の考えていることを上司がしっかり理解し、彼らの成長をサポートできるようになるための半年間の研修を行っています。
上司側と、30代若手の両方に研修をしています。

1on1ミーテイングというのは、「上司が部下の業務の進捗を確認する場」ではなく
「部下の成長ための時間」であり、まずは「部下に、今話したいことをしっかり話してもらう場」です。

「ヤフーの1on1」とか「シリコンバレー式最強の育て方 1on1ミーティング」などの本が出てからなにかと「手法」として注目をされている「1on1」ですが、その導入は、社長や役員の理解や、全社への周知に始まり、その浸透策を考えるなど全社を動かすために相当な労力がかかります。

導入時の大変さは置いておいても、実際に上司ー部下で1on1を効果的に行えるようになるところに至っても困難はたくさんあります。

なんといっても、上司側の 「コミュニケーションのくせ」を見直し、新しい習慣を身につけるところがキモとなります。

まずは上司が、部下の話をしっかり「聴く」ことが大事。

っていう、たったこれだけのことが本当に難しい!!!

(忘れられがちな視点ですが、部下が、いまの自分の考えや悩みをしっかり上司に「伝えられる」ようになることも必要なんですが)

そこで先日の研修でこんな宿題を出しました。

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30代若手部下:
今日の研修を受けての気づきと、今後の自分の行動について上司に伝えてください。

上司:
30代若手が研修での気づきと今後の行動について報告をしますので、その話をしっかり聴いてください。アドバイスはしないでください。今回の目的は、部下が自分の言いたいことを全て言えて「すっきり」した気持ちになることが目的です。

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そして二人でしっかり対話をしてもらった後、両者にアンケートをとりました。

すると・・・・

上司のうち半分が
A 「聴くことに徹した。自分の意見は何も言えなかったので、部下になんの気づきも与えられなかった。」
と答えました。

そしてもう半分が
B「ついつい途中から自分がしゃべってしまった。解決策の提示やアドバイスはできた。」(←しないでって言ったのに)
と答えました。

では部下はどうだったかというと・・・

Aの「聴くことに徹した」という上司の部下は全員「すっきりした」と答えました。
さらにそのうちのほとんどが「話をしっかり聴いてもらって、気づきがあった」と答えました。

Bの「解決策やアドバイスをした」という上司の部下は全員「すっきりしなかった」「気づきはなかった」と答えました。

この結果を上司たちにフィードバックをしたところ、結構な衝撃が走りました。

上司は良かれと思って、アドバイスをしたのです。
中には、部下の前ではかっこいいことを言わなくちゃ、とか、解決できる自分の姿を見せなくちゃと思ってしまった方もいました。上司たちの気持ちがすっっっごくわかるだけに、このフィードバックをする私も心がちくっとしました。

でも、
それなりに経験を積み、会社からも期待される立場にある30代若手は、それよりも自分の考えをまずしっかり聴いてほしいし、話を聴いてもらうだけでも、頭が整理されて、気づくことがたくさんあります。

自分で気付けば、納得して、自分から行動することにもなり、自発性が生まれ、
さらに上司への信頼も増します。

事実、Aの上司の部下からは
「自分のやるべきことがわかった」(上司は何もアドバイスしていないのに!)
「上司への信頼が増した」(ただ聴いてただけなのに!)という声も上がっていました。

アドバイスが必要なケースも
上司が話すことが必要なケースももちろんあります。
上司として必要な時には厳しいフィードバックをすることも大事。

でもまず、「部下が言いたいことが全部言えて、すっきりするまで聴く」ことがいかに大切か。
そしてこんな簡単なことがいかに難しいか。

まあ私自身の普段の行動を考えても、この難しさはよーくわかるのですが・・・。

この上司たちと部下たちの奮闘はまだまだ続きます!