人は簡単に変われるのか?

私が、弊社の6ヶ月のプログラムで、どのように人や職場が変わったか、という事例を話すと、ときどきこんな質問を受けます。

「人ってそんなに簡単に変われるものですか?」
「うちの職場でもいろいろやっていますが、なかなか変わりません。どうしたらいいでしょうか。」

ちなみに、弊社の主なプログラムは、職場の上司と部下をペアで参加(女性活躍などのプログラムでは部下は女性、リーダー育成ならば部下はマネジャー候補等リーダー格のメンバー)、あるいは部(チーム)全員が参加し、対話を行いながら、集合研修や体験、1対1のコーチングなどを交えて、6ヶ月以上期間をかけて「一人一人が輝く職場をつくる」ことを目指しています。

「人はそんなに簡単に変われるのか?」

という問いに対する私の答えは、答えはYesでもあり、Noでもあります。

ちょっとしたきっかけで大きく変わることもあります。
逆に、なかなか変わらない人もいます。

ちょっとしたきっかけで大きく変わった人のことを考えてみると、こんな3つの条件があったのではないかと思っています。

  1. 自分を変えたい、なんとかしなければ、と思っていた
  2. このプログラムを自分のために活かそう、と思って参加した
  3. ちょうどこのタイミングで(上司などの)周りの人から良い働きかけを受けた

逆に、なかなか変わらない人というのはこの3つの全てがない、あるいはひとつしかあてはまらない状態で、この3つを揃えるようにすると変容が早い、ということではないではないかと思っています。

1と2については、本人だけの問題、だと思われるかも知れませんが、そうでもありません。

・プログラムに参加する対象者の選定方法
・なぜあなたがこのプログラムに参加するのかという目的の伝達
・人材育成部門や講師と、参加者の間の関係性の構築
・プログラムの進め方や内容の工夫

などによって、「変わりたい」「活かしたい」と思ってもらえるような働きかけは可能です。
とはいえ、どんなにこちらががんばっても、最後は本人の気持ちなので全てがうまくいくとは限りません。「自分は変わらない」ことを選択している人もいるからです。

周りの人との関わりを意識する

そして私が実はとても重要ではないか、感じているのが

3ちょうどこのタイミングで(上司などの)周りの人から良い働きかけを受けた

という部分。

プログラム参加者の周りに、いろんなパイプ=人とのつながりを作り、そのパイプを事務局(人材育成部門と講師等)が意識し、そのパイプを通じて参加者本人に様々な働きかけがあるように進める、ということです。特にその中でも重要なのが上司ー部下のパイプです。

いろんなやり方があると思います。

上司と部下が一緒に参加して、対話を通じて、お互いにどこを変えていったら自分は成長するのか、チームが良くなるのか、ということをすりあわせる(上司と部下のパイプ)

参加者同士のつながりをつくってお互いにアドバイスしあえるようにする(参加者同士のパイプ)

講師と参加者との信頼関係ができている、と思ったら、講師から「こうしたらもっと良くなるんじゃない?」と伝えたり、講師から見て、参加者に変化があったと思った時にはその点をすぐにフィードバックする(講師とのパイプ)

人材育成部門からも参加者に対する期待や改善点ポイントを伝える(人材育成部門とのパイプ)

講師と1対1、人材育成部門と1対1で話をさせて、いま思っていることを吐き出させる(講師・人材育成部門とのパイプ)

プログラム期間中に、プログラムに参加していない他のチームメンバーからフィードバックを受けるような仕掛けをつくる(参加していないチームメンバーとのパイプ)

などなど。

「あなた一人の努力で変わりなさい」というのではなく、たくさんの人とのつながりを意識させ、そこから多くのフィードバックを受けられるように、また、そのことを通じて関係性がよくなるような仕掛けを入れていく、ということ。

ちょうど、子どもが、親から始まり、兄弟姉妹、親戚、友達、近所の人、先生などいろんな人とのつながりを増やしながら育っていくのと同じようなイメージ、と言ったらいいでしょうか。

「研修の場そのもの」は、人や職場の変容・成長のためのたくさんの手段のうちのひとつでしかなく、他にもたくさんいろんな方法やリソースがあるわけです。

講師の立場で言えば、自分の働きかけ「だけ」で変えようとしない、もっと人を巻き込んで大きな力を使うことを考えてプログラムを考える、

人材育成部門の立場で言えば、講師に任せてほったらかし、ではなく、参加者の取り巻く「人」に意識を向けて、一緒になって一人ひとりに向き合う覚悟を決める、
ということでしょうか。

きっかけになるのは「周りの人が変わったこと」

大きく変化が起こった方にプログラム終了後にインタビューをすると必ず出てくるのがこんな言葉です。

「私も変わろうと思って努力もしましたが、なによりそのタイミングで上司が変わってくれたことが大きかったです。うまくできたことがあれば褒めてくれるようになったし、時には厳しいことも言ってくれて、期待されてるってわかったからです。」
(20代女性メーカー)

「なにより人事が変わった。自分の抱えている問題や不満を1対1でしっかり聞いてくれた。自分の強みや成長課題を伝えてくれた。だから自分もがんばろう、変わろう、と思った。」
(ずっと不満げに参加していたが、最後に「このプログラムはすごくよかった!」と言ってくれた30代男性金融)

人は一人ではなかなか変われません。

冒頭の
「人は簡単に変われるのか」

という質問に対しては、

変わる人も、変わらない人もいるが、参加者をとりまくたくさんのパイプ=つながりを意識してそのパイプの先にまで向き合うことで、変わる人を増やすことはできる

ということかなあと思ってます。

みなさんも気づいたことがあったら、職場でいろいろやってみてください!
私もチャレンジし続けます。