4月からオンラインの研修プログラムや組織開発プログラムの仕事が増えてきて、現在数本を鋭意作成中です。来週から本番が続くので、今、その最後の調整で一苦労しているところです。
リアルで行っていたプログラムをオンライン化するにあたっては、人材開発の方々とは打ち合わせを重ねる必要がありました。リアルの研修とは目的も進め方も異なるからです。
例えば、マネジャー向けのコミュニケーション系の研修ならば、今ならもれなく
みたいなサブテーマも入ってきたりします。会社により内容は異なりますが。
研修の進め方もいろいろ変わってきます。
など、リアルとは違ってきます。また使うツールがzoomがTeamsかそれ以外かでもいろいろ変わってきます。
リアルでやっていた研修をそのままオンラインに持っていくのはなかなか厳しく、中には大幅に作り替える必要があるものもありまして、そのための打ち合わせを重ねる中で、ある時、こんなことが起こりました。
「オンラインならではの研修にしよう!オンラインだからこそできることをやろう!」と議論していた時のこと。気づいたら議論はいつの間にか「Zoomの機能やオンラインならではの特徴を活かしていかにおもしろいことができるか」になっていました。
「オンラインならではの研修にしよう!」と「オンラインの機能を使っておもしろい研修を作ろう」は一見あまり変わらないように思えるのですが実は全く違います。
オンラインならではの研修にしよう!=研修の目的を達成するためにツールをどう使うか考えよう!
オンラインの機能を使っておもしろい研修を作ろう!=研修でオンラインの機能をおもしろく使いこなそう!
目的と手段が入れ替わってしまっています!「オンライン」はあくまで手段です!
手段が大きく変わった今、「オンライン(=手段)ならでは」にこだわりすぎると目的と手段がいつの間にかすり変わってしまうという体験をしました。特に機能の多いツールを使う際には注意が必要ですし、これからオンラインツールはいろんな機能が追加されてくるでしょうから要注意です。
リアルの研修でも同じことをやっちゃう人がいます。
「ワールドカフェ(大勢での対話の手法)をやりたい」とか「盛り上がるアイスブレイクのネタが欲しい」とか「最後は付箋に書き出そう」とか・・!
これを先に言われると私は「ああああああ・・・・」とうなだれてしまいます。そういう言葉を使った瞬間に目的から離れてしまうため、私は「手段を考えるのは最後」に徹底的にこだわってきました。それがリアルならできていたのに、手段が大きく変わって「オンライン」になった途端に私もこの罠にかかりそうになりました!うー。
今はそれも仕方ないのかもしれません。なぜなら「手段を考えるのは最後」とはいかなくなり、「オンラインという手段(zoomかTeamsかなども含めて)」が大前提に、最前列に来ているからです。でもこのことに気づかないと、手段に振り回されて目的を見失う、と思いました。
それでふと思ったこと。
最初に、今ならもれなく「オンラインでもマネジメントはできる、コミュニケーションはできる!と気づいてもらおう」みたいなテーマが研修に入ってくることが多いとお伝えしました。よく考えたら、マネジメントにおける「オンライン」も手段です。
リアルだろうが、オンラインだろうが、マネジャーとしてチームをどうしたいのか、あるいはコミュニケーションを通じてどうしたいのか。それは変わらないはずです。その手段がオンラインに変わったということ。「オンラインなんかでマネジメントできるか!」なんて言ってはいられないということですね。「オンラインなんかで営業はできるか!」も同じです。
そしてコミュニケーションやマネジメント、あるいは営業の「手段として」オンラインツールを使いこなすことや、オンラインならではの特徴を知っておくこと、実際に使いながら自分なりのノウハウを貯めていくことはこれから必須であり、もはや避けられないのだと改めて思いました。(でもこれもよく考えたらこれはリアルでも同じですけどね。)
オンラインという「手段」が最前面に出てきた今、(研修うんぬんの話だけでなく)目的を見失わずに「そもそも自分はどうしたいのか」「そのためにオンラインも含めた今使える手段を自分はどう使いこなすのか」を考えることが何より大事だと気づかされたできごとでした。
さて、プログラム完成まであとひと頑張りーーー!
ああ、早く「この目的の研修なら今回はリアルがいいですね!」「これはこれこれこういう理由でオンラインがいいですね!」と、オンラインも一つの手段として選べるようにならないかなー。