オンラインでチームビルディング研修?!

一昨日、あるメーカーにて新入社員向けのチームビルディング研修を、終日かけて、オンラインで行いました。この会社では、新入社員は4ヶ月間の研修期間ののち、配属先に配属されることになっています。
この4ヶ月という期間の中、新入社員たちは3−4人ずつのチームに分かれて活動をし、その内容と結果、わかったことを最後に発表することになっています。チーム活動を通じて同期の絆を強めると同時に、配属されてからもチームの一員として頑張っていけるように、という狙いがあります。

そんな目的があって大事なチームビルディング研修をこれまで、様々な体を動かすアクティビティを取り入れながらやってきたわけですが、今年は当然、「チームビルディング研修もオンラインで実行」へ。むしろこちらから「オンラインでやりましょう!」と提案したのですが、いざとなると

オンラインでチームビルディング研修って!!!
しかも、使い慣れたzoomではなく、Teamsを使うって!!!

できるのか?!と不安になりながらも、「できる気しかしない!」との思いを持ち
人材育成部門の方々と検討。体を動かすアクティビティも思い切って例年とは形を変えて取り入れることにしました。

最後はもう「うまくいかなそうだったら新入社員のみなさんに協力をお願いするしかない!」と割り切り、彼らをコロナ禍で共に生きる同志だと思うことにしました。実際、研修中に私の声が届かなくなるというハプニングもありましたが、焦りながらも「10分間休憩!」と紙に書いてニッコリ笑って映したら、みんな笑顔になって「大丈夫ですかーがんばれー」みたいに場が和んだように思いました。

結果は、例年通り、いや、例年以上に良かったというか、相当な手応えがありました!

なぜうまくいったのか、いろいろ考えた時に1番強く思ったことが「新入社員の今の気持ち」でした。

私たちが思っている以上に焦りや不安な気持ちを持っている

オンラインでもうまくいく、オンラインだからうまくいく、zoomは、Teamsは、いやRemoってものあるよ、なんていう議論が今研修業界では話題になっていますが、うーん、そんなことの前に
「研修生の皆さんが、みんなと繋がりたいと思っている」
さらにその前に
「ちゃんとやらないと先輩たちと差がついてしまう!と不安に思っている」

という気持ちがあるからこそ、研修がうまくいくという側面が大きいのではないでしょうか。逆にいうとその気持ちを無視するとうまくいかないのではないでしょうか。

セッションの中で、「withコロナの今、以前のようにできなくなってしまったこと、不安なこと」をテーマに、それぞれのチームでディスカッションをしてもらう、という時間をもうけました。

テーマはこの後、「withコロナの今だからできること、わかったこと」そして「withコロナの今、研修期間を充実させるためにできること」と続き、各チームごとに、研修期間にチャレンジすることを決める、と進んでいくことになります。

「withコロナの今、できなくなってしまったこと、不安なこと」ではどんなことがあがるだろうかと思っていたら、出たのはこんな意見でした。

  • 卒業式も入社式もなかったから、社会人になった気がしなくて、学生気分が抜けてないような・・・
  • 社会人の始めからつまづいてしまった気持ちがする・・・
  • こうしている間に先輩たちと大きく差がついてしまう・・・
  • 理由のない不安。歩いていても人とすれ違うだけでちょっと怖かったり。
  • ツイッターって嫌だよね・・・ネガティブな情報ばっかじゃん?
  • ある程度予想はしていたものの、こちらが思う以上に「遅れてしまう」「つまづいた」と感じ、社会全体の暗さを強く感じているのでした。私たちから見れば「今はみんな同じだから遅れるとかないのに・・・」と思いますが、そこはそうは捉えていないのですよね。

    まずはオンラインでも研修はちゃんとできる!会社はサポートしてくれている!と気づくことが大事

    あるチームで、人材育成部門の事務局に向けてこんな質問が出ました。

    「この研修って、いつもなら研修センターで合宿形式でやっているんですよね?去年までと比べて今年の研修ってどうなんですか?できないことってあるんですか?」

    おー、そんな風に思っているんだ!
    すると、事務局の方がこう答えました、

    私たちも、最初はオンラインでできるんだろうか?という不安な気持ちだったんです。でも、もうどうしようもなくて、オンラインでやるしかなくて。最初は、できないことばかりじゃないか、と思っていたんですが、実際始めてみたら、あれ、できることもあるなと思って。それでも、あれはできないだろう、これはむりだろうとネガティブな方に目が向いていたんですが、徐々に、結構なんでもできるな、と思えてきて。みなさんの顔を画面で見ていても寝ている人とかいないですし・・・いつもならいるんですけど(笑)。今日のチームビルディング研修も、すごくいい感じで進んでいて、なんだ、ほとんどのことができるじゃないかって、っていうより、こっちの方が良いこともいっぱいあるなって思っています。もちろんみんなに会いたいですし、その方が良いこともあるというのはわかっているんですが、去年より研修の質が下がっているということは決してないです!(キッパリ)」

    みんなほっとしたように笑顔になりました。
    ああ、そうか、ここにずっとひっかかっていたんだなあ!研修の質はいつもと変わらない、という言葉に勇気づけただろうなあ。
    それに、人材育成部門の方々がこうやってみんなのこと思って試行錯誤している、不安になりながらもやったことのないことにチャレンジしているっていうのも伝わったはず!

    そこで私からも「皆さんの協力のおかげで、私からみても、このチームビルディング研修は例年以上にうまくいっていると思う。本当に諦めずにやってよかった。」と伝えました。この話はこのディスカッションをしていたチームだけでなく、全体にもシェアしました。

    自分たちには何ができるか?に目が向く

    その後の議論はとても前向き。

    「wtthコロナの今だからできること、わかったこと」では

  • 親と一緒にいられるのが貴重で、母親と週に3回散歩していろいろ話してます。(優しいなあ・・・!)
  • なんだかんだいっても研修が実施されて、お給料ももらえているという状況には感謝だなあって。(事務局の皆さん、泣!)
  • 部屋の片付けが進んだ!ほらここ、棚が空いてるでしょ?(バーチャル背景を切って部屋を映す)あ、まだ部屋は汚いとこあんだけどさ。(笑)

  • 「withコロナの今、研修期間を充実させるためにできること」
    では

  • オンライン筋トレやらない?オレが教えるよ。
  • 趣味とか、英語の勉強とか、それぞれやっていることの進み具合をお互いに報告し合う時間を定期的に作らない?
  • (研修期間中の勉強を)オンラインでつないで一緒にやらない?別にしゃべんなくてもさ、時々わかんないとこ質問するとかでもよくね?
  • これから2ヶ月続く研修期間中に彼らがどんなチャレンジをするのか、今後の展開に期待です。

    翌日の報告によると、「この研修のおかげでその後の話し合いもいつもよりスムーズに進んだ」という意見があったとか。

    今回「オンライン・チームビルディング」がうまくいったのは、私たちががんばったというよりも、withコロナの今だからこそ、研修生のみなさんの中に「先輩に追いつかなくちゃ!」「学ばなきゃ!」という焦りの気持ちや「同期と繋がりたい!」という強い思いがあり、「会社も大変な状況の中、自分たちを支援してくれているんだ」「オンラインだからってできないことはないんだ」「自分たちでも研修期間を楽しく過ごすための工夫ができるんだ」という気づきがあったらだと思います。

    私たちがやることは新入社員の意識の方向を整えること?

    人は、何かが欠けている状況の方が求める気持ちが強くなるものです。その気持ちが「学びたい」「繋がりたい」「自分たちで何かやりたい」という方向に意識が向くように、私たちはオンラインでサポートをすれば良いのではないか。私たちもまた、コロナ禍で試行錯誤している仲間だと思ってもらえれば良いのではないか。

    そんなふうに思いました。
    もしまだ新入社員研修をオンラインで続けているところがあったら、
    「私たちもわからない中チャレンジしている」「オンラインでできないことはない、むしろ良いことはいっぱいある!」「今年の研修は例年よりうまくいってるくらいですよ、それは皆さんの協力があってのことなんですよ。」と、伝えてあげたらいかがでしょうか。

    新入社員の皆さんに私も爽やかな勇気をいただきました。引き続き、私もチャレンジします!