オンラインで研修をやっています、というと、

「実際に会ってないと、全体の空気感がわからないし、グループワークも介入しづらくて進めにくいですよね。その場で起こることを掴んで臨機応変にやりとりすることができないですよね?」
とよく聞かれます。

私も最初はそう思っていたのでよくわかりますが、オンラインで研修を実施するのと、リアルで研修を実施することの違いを理解すれば、必ずしもそうでもないなーというのが今の私の実感です。

  • オンラインでも全体の空気感を掴む方法はあるよ
  • リアルでもオンラインでも講師に見えてる世界はほんの一部だと認識したほうがいいよ
  • 場で起こっていること全てを把握したいという気持ちを手放したほうがいいよ
  • コンテンツや「問いの質」でもカバーはできるよ
  • 参加者を信じよ!
  • そんな風に思っています。

    リアルなら本当に場が見えていたのか?オンラインで力を発揮する人たち


    当然のことですが、オンラインで全体の空気感を掴む方法の一つには、画面で一人ひとりの表情をよく見る、ということがあります。

    ずらっと出席者の顔がスクリーン全体に表示されるというのはリアルではまずないこと。どこで参加者が反応するのか、表情を見ていると本当によくわかります。研修時間中ずっとこの状態で見る、見られるということには良し悪しがあるので、時々カメラオフもOKとしないとキツイですが。

    また、たまに画面を見ているフリしてLINEやっている人もいますが(私も参加者側になるとたまに・・)、サボる人がいるのはリアルでも同じ。飽きさせない工夫をしなければならないのもリアルと同じです。

    もうひとつの方法がチャットです。

    1年くらい前から、zoomなどで行われる講演やワークショップなどのイベントにたびたび参加してきました。
大型の台風などたびたび起こる災害で移動が難しくなる中、いずれ研修もオンライン化の波がやってくると思っていたからです。

    ご存知の通り、オンラインイベントでは、出席者はチャットでやりとりしながら参加するということが多いです。

    チャットには「すっごく共感します!」「そうそう、わかる!」みたいな簡単なものから、「888888」(パチパチパチ=拍手)「わら」(笑)など場を盛り上げるようなもの、意見や質問、さらには追加の情報、追加情報の出ているサイトのURLなど役に立つものまで、様々な内容が投稿されてきます。
    興味あるイベントに参加すると私の知人も参加していることもあり、普段はもの静かな知人が、チャットになると突然本領を発揮し、お役立ち情報をチャットでシェアしたり、笑いをとったりするという人がいて驚きました。また、若い人はの方がチャットに慣れており、抵抗なく思ったことを投稿してくるようにも見えました。

    そこで、「私たちはこういう力を持つ人をリアルの場で把握できていたのか?」という疑問が湧いてきます。

    リアルの場では、全員を平等にみているつもりで、積極的に見える人や態度の大きい人、グループワークなどででた意見をうまくまとめて発言できる人(中には取り繕うのがうまい人も!)、リアルの場で影響力のある年配の人や役職が上の人がいるとついその方に意識が向いてしまっていました。

    その場に出しにくいような面白い意見や情報を持っている人、チャットになると遠慮なく発言できる人≒オンラインでの発言に抵抗のない若手、のことが見えていなかったかもしれないと反省でした。

    チャットにあがる意見や疑問点を講師やファシリテーターが拾ったり、投稿した人を指名したりするとさらに盛り上がります。

    いかにみんながチャットに書きこみやすい雰囲気にするか。チャットに書き込まれたことにどう臨機応変に対応するか。それがオンライン講師のひとつの役割になってくると思います。

    リアルでもオンラインでも講師は全体の一部しか見えていない!

    「オンラインだと全体の空気感がわからないですよね、俯瞰して臨機応変にやりとりすることができないですよ」
    この疑問に対して、何回かオンラインイベントにでてみて、また自分で研修をやってみて、今はこう思っています。

    リアルなら本当に全体の空気が分かっていたのか?
    さらに、
    そもそも全体の空気を把握してどうしたいのか?それが本当に参加者のためになっているのか?と。

    これまでリアルの場では、なんとなく全体をみて、場で起こっていることをわかったつもりになって「自分が」満足していたという部分もあったのではないか。

    「臨機応変にこんなやりとりができて、自分主導でいい研修ができた」と思っていなかったか。オンラインでチャットで力を発揮する人たち、そこに今まで私が予想もしていなかったタイミングで予想もしていないことを書き込む人を見た時に、私が強烈に感じたことでした。

    リアルでもオンラインでも、講師から見える世界は「ほんの一部」であり、それすら自分のバイアスがかかったものである、ということは変わらないと認識すべきです。

    講師が手放さなければならないものと本当に考えなければいけないこと

    オンラインではグループワークがやりづらい、介入しづらい、という意見も聞きます。

    ZoomやTeamsなどを使ったオンライン研修でも、グループワークはできます。また、講師が各グループを見回ることも可能です。しかし、オンラインでのグループワークの介入というのは今あるシステムでは非常に難しいというが現状です。

    講師が各グループを見回ろうとすると、例えば参加者4人だけでワイワイ話していたところに、いきなり画面上に講師の顔が「ぼん!」と追加で出てきて、急に話しづらい雰囲気になります。
    Teamsでは参加者に気づかれずにグループワークを見ることはできますが、話題がそれていたり意図した方向とは違う方に議論が進んでいた場合に、それを修正しようといきなり話しかけるとびっくりされ、「えっ、聞かれてたの?」と不信感を持たれてしまいます。さりげなく自分の顔を表示させてから、さりげなく「今どんな話をしてみましたか?」と話しかける、など、オンラインでのグループへの介入のやり方にはとても注意が必要です。

    講師の介入がなくてもグループワークがうまくいったケースとうまくいかなかったケースを比較してみると、現段階ではこんなことが言えると思っています。

    介入を手放して、参加者を信じよ

    コンテンツと問いの質をあげよ

    全体の構成やそれぞれのセッションの意図がしっかりしていて、良い質の「問い」を投げ掛ければ、グループワークは放っておいてもうまくいくようです。

    逆にいえば、構成や意図がしっかりしていなくて、ボヤッとした問いかけをしてもグループワークはうまくいきません。リアルなら、そこで講師が介入して修正できたものがオンラインではできないため、予め作り込む、あるいは慣れている方や自信のある方はその場で効果的な問いかけをしていく、という必要があると思います。

    「実際に会ってないと、全体の空気感がわからないし、グループワークも進めにくいですよね。その場で起こることを掴んで臨機応変にやりとりすることができないですよね?」
    に対する答えは、

  • オンラインでも全体の空気感を掴む方法はあるよ
  • リアルでもオンラインでも講師に見えてる世界はほんの一部だと認識したほうがいいよ
  • 場で起こっていること全てを把握したいという気持ちを手放したほうがいいよ
  • コンテンツや「問いの質」でもカバーはできるよ
  • 参加者を信じよ!
  • まだまだ浮かんできるけど、長くなるのでいったん終わりー。

    そして今日もまたオンラインコンテンツ作りです。こちらはまだまだ終わらない・・・。