1on1を企業に導入する仕事を始めてから6年ほどになります。
大手企業を中心に4社、関連会社も含めると20社以上に対して、1on1導入のサポートをやっています。
数少ないクライアントに対して、1on1だけでなく、他の人材開発・組織開発なども含めて、ふかーく、入らせていただくことにやりがいを感じていたので、そのほかの企業の状況はあまり知らず・・・1on1を導入する会社が急増する中、この流れに乗って多くの研修会社や講師、HRテック系の会社が出てきましたので、1on1は有効な手段として定着しつつあるんだろうな、くらいに思っていました。

ところが、1on1を導入している企業の中には、その目的も、やり方も、きちんと全社の社員に伝わっておらず、現場が自己流で1on1をやっている、その結果、特に効果も感じないし、面談との違いもわからないし、中にはやればやるほど不幸になるマネジャーやメンバーもいる、ということを人づてに聞き・・・

まさか、と思いながらも、いろんな会社の方が集まる場に呼んでいただいたので実態を聞いてびっくり!

「1on1をやりましょう」という通達はあったが(たぶんおそらくそこには目的もやり方もちゃんと書いてあるんだと思うんだけれど、たぶんおそらくちゃんと読まれていない)、研修などのフォローもなく、何をすればいいのかわからないという状態の企業が結構な数存在すると。
とはいえ、1on1に限らずなんでもそうですが、組織への浸透の大変さを思うと、本気でやろうと決断できる企業は少ないのだろうな、と、理解もしました。

でもそれでは社員が不幸になってしまう、1on1が一過性の流行りとして終わってしまう。
そんな危機感が募り、誰でも一般参加のできる1on1講座を始めました。6月にパイロット講座をやり、11月から本格始動しました。
いろいろな会社のマネジャーの皆様が集まり、1on1をともに学ぶ中で、マネジメントの悩みなどの情報交換をしながら、マネジメントやリーダーシップについても考えることのできる6回のコースです。

この講座をやってふたたびびっくり・・・!
1回目の講義で、1on1の目的を伝え、簡単なコミュニケーションのワークを実施すると、皆さんの目からウロコがボロボロ落ちてきます。

「これまで、1on1は、部下のできていないことを指摘する場だと思っていました。」
「1on1って、メンバーの振り返りを促して、成長を支援するためのものなんですね・」
「業務の進捗確認をやってました。」
「部下のための時間なんですね・・・!」

↑という声がほんっとうに多い!!!!!!
特に、「1on1が部下のできていないことを指摘する場、指導する場じゃない」ってことは、世の中にすでにいっぱい発信されていて当たり前だと思っていたので、驚愕でした。必要な現場に、必要な情報が届いていないのだと実感して、反省しました。

こんな声も!
「部下の、良いところを伝えるのもやっていいんですね・・・っていうか、良いところより悪いところばっかり目につきます・・・」
まあそうですよね。わかります。

目的がわかると、今度はこんな声も出てきます。
「じゃあ具体的にどうやってやるの?」「自分にできるか不安」「部下からこんなこと・あんなこと言われたらどうするの?」

部下に1on1の時間をとってもらうことへの遠慮や、部下の声を聴くことに対する恐れ、自分がうまくできないかもしれないことへの不安。
ここには、
・マネジャーである自分が常に答えを持っていなければならない
・部下より優れていなければならない
・上司は部下を「指導」できなければならない

という「強い思い込み」が見え隠れしているような気がして、聞いているうち、心が痛くなることもあります。みなさん、日頃、すごいプレッシャーのもとでがんばっているんだなあと。

今、この講座も全6回のうち3回を終えたところです。
参加の皆さんは、少しずつスキルを身につけ、実践を通じたメンバーの変化も感じながら、うまくできない自分にも気づき、その過程で、「こうでなければならない」と思っていた自分の内面と向き合いながら試行錯誤をされていらっしゃるのではないかと思います。

1on1についてマネジャーの皆さんと語るとき、私は、日本の組織の中にいる人たちを「こうでなければならない」から解放したい、と強く思います。その思い込みを捨てた時に見える世界を知って欲しい、そこで生まれる対話と、対話から生まれるものを信じてほしい。そんな思いで、1on1を伝えています。

この講座、さらにエベルアップして4月からまた開講します。必要な現場に、必要な情報が届きますように。